「MEG ザ・モンスター(2018)」を観た【サメ映画レビュー】

TOHOシネマズの前を通りかかると、大口を開けたサメの横顔が大々的に印刷された巨大パネルがあった。水中から、ほとんど海面と平行になるように飛び出してくるサメの頭部を、真横から撮ったような構図である。パネルの前に立てば、今にもサメに喰いつかれそ…

方位磁針を回す

特別お題「わたしがブログを書く理由」 「良質」の対義語は「悪質」と決まっているが、単純に質の良さを表す良質と違って、悪質には、あたかもこちらに対して攻撃性があるかのように聴こえがちである。良質な水、と言われれば、富士の雪解けか何か、透き通っ…

青春の亡霊

JR総武線を千葉方面に走っていると、御茶ノ水駅を出たところで、川の向こうにビリヤード場が見える。20時ごろ、最近知り合った歳の近い友人と2人、並んで吊り革を握り、真っ暗の車窓に映る自分たちと、その向こうに流れる都会の明かりとをぼんやり眺めていた…

白昼夢

レアチーズケーキの白い断面が、ブルーベリーソースの鮮やかな紫色に侵食されていった。丸い平皿の中心部に、綺麗な円を描いて盛り付けられたブルーベリーソースと、その上にひっそり置かれた一切れのレアチーズケーキは、その完璧な色合いと配置から、ほと…

「グレート・ホワイト(2021)」を観た【サメ映画レビュー】

驚愕である。夕飯時に、何気なくテレビを点けると、ちょうど「世界まる見え!」がやっていて、例の、誰が撮影したのか分からない海外のハプニング映像を延々眺めていく中で、ボートで遊ぶカップルだか家族だかのビデオがあり、何が起こるのかと思えば、一瞬…

運命未満をやり過ごす

運命、という単語を辞書で引いてみると、「人に幸不幸を与える人智を超えた力」とある。ひとつの出会いやきっかけから、偶然の巡り合わせが重なり合い、向かうべき結末へと進んで行く、その起承転結、それぞれが運命と呼ばれるものであり、それら一連の流れ…

キャラメル読書

月初めの願掛け的な企みで、図書館へ行くことにした。目覚ましを、いつもより2時間早めてセットして、就寝、そうして、5時間弱のレム睡眠の先にあったのは、眩しいくらいに光り輝く、晴天の朝である。サンサンと降り注ぐ朝日、これから私は、この青空の下を1…

五月病声明

五月病である。3月、4月の不調の大概は花粉症のせいにしてしまえるのと同じ理屈で、5月1日から31日間の不調、不具合、しでかした不手際の数々まで、その責任の全ては、五月病という名のもとに一括りにしてしまえる。いまだ、向き合うべき問題は眼前高々に山…

死ぬる枯れ葉

裸眼で外を歩くのは、恐らく十数年ぶりのことである。15歳からコンタクトレンズを着け始め、それ以前は、ずっとメガネを着用していた。視力が、悪い。頭のてっぺんからつま先までの間で、ほとんどが平均点の機能を持つ中、視力だけが、著しく悪い。数値にし…

「サメデター(2021)」を観た【サメ映画レビュー】

※「プレデター」との繋がりやオマージュ等は一切ない。英題は「Jaws of Los Angeles(ロサンゼルスのサメ)」のため、邦題をつける際に個性を出そうとした結果の「サメデター」だと思われる。 様々な意味で、サメ映画らしからぬサメ映画である。サメ映画とは…

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