「MEG ザ・モンスター(2018)」を観た【サメ映画レビュー】

TOHOシネマズの前を通りかかると、大口を開けたサメの横顔が大々的に印刷された巨大パネルがあった。水中から、ほとんど海面と平行になるように飛び出してくるサメの頭部を、真横から撮ったような構図である。パネルの前に立てば、今にもサメに喰いつかれそうな写真が撮れるだろう。パネルの右下には「MEG ザ・モンスター2」「8.25 Fri.」とある。思わず感嘆のため息が漏れた。私は、サメ映画を映画館で見たことが無い。早急に前作を履修し、この「2」の公開に備えなければならない。

 

巨大であること、それだけで大抵の生物はモンスター化せざるを得ないだろうが、陸上とは違って、海中の巨大生物に対する恐怖は段違いである。我々人間がそもそも呼吸すら出来ない場所で平然と生活し、未だ全貌を把握しきれないほどに複雑な独自の生態系を構築して、そんな彼らのほとんどが、人間と相対することなく一生を終える。妖怪の類と同じである。何かしらの不可抗力が働かない限りは姿を見ることすら無いだろうが、しかし、ひょんなきっかけと偶然により、次の瞬間には、目の前で大口を開いているかも知れない。今作では、深海1万メートルに生息する巨大サメ「メガロドン」であり、「ひょんなきっかけと偶然」とは、深海研究のための潜水艦によって発生した、わずかな水流の変化であった。

見どころは何と言っても、アトラクション性溢れる船たちである。操縦席が全面ガラス張りという完全見た目重視の潜水艦や、戦艦と見紛うほどに巨大な研究船、競艇に出場出来そうなくらいスピードが出る救難ボートなど、近未来な乗り物がこれでもかと登場する。巨大サメに向かって潜水艦から銃弾を打ち込む様子は、もはや宇宙戦争のような派手さがある。

これだけカッコいい(ほとんど戦闘機のような)船を大量に所有しているにも関わらず、中盤以降のサメとの直接対決は生身の人間というのも面白い。研究者や救難隊員がウェットスーツに武器だけを握りしめ、次々と海中へ飛び込んで行く。何人もの研究者がサメに喰われ、飲み込まれ、船が転覆し、潜水艦は爆発して、2時間弱の大乱闘の末、最後は主人公自ら、サメの眼球に素手で槍を突き刺し、勝利する。

サメに対して「研究対象」として扱うには手に負えないことが分かり、大義も名分もかなぐり捨てて、最終的には純粋な「人間vsサメ」の構図になる展開が非常に良かった。途中からサメ映画であることを忘れて、登場人物たちの葛藤に深く共感する場面もあった。「海の真ん中で常にサメに狙われ続ける」というパニック映画としての非日常感、ホラーのように驚かせる巧みな演出の数々、全編を通して、映画3本分くらいのアトラクション性があった。14インチの画面ではなく、出来れば映画館で観たい作品である。スクリーンで観れば、それこそ、ジェットコースターのようなスリルと興奮が味わえるだろう。2の公開が待ち遠しい。

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