2024年書き初め

2023年の師走は、師走らしからぬほんわかした天気と、自身の孤独を裏切らない見事に空っぽなスケジュールが相まって、例年以上に怠惰な年末、毎日昼近くに起床し、家の前を通る保育園児たちの散歩を眺めながら熱い白湯を啜って、まるで隠居の有り様であった…

赤鼻のトナカイ

居酒屋のカウンターに敷かれた敷紙の隅に、筆文字で小さく、師走、と書かれていたので、来月の名前を書くなんて、ここのご主人はさぞかし気が早い人なのだろうなあ、と、ビールに浮かされた頭でぼんやり思っていたのだが、素面になった今思い返せば、今日は…

銀杏読書人

上野駅中央口を出ると、空はすっかり夕方の面持ちで、駅前の歩道は、夜の気配に浮き足立つ人々で大変な混雑具合である。スウェットの袖を捲り、腕時計を見ると、16:30、約束の時間までは30分以上の余裕があった。真昼間なら、例えばアメ横通りをぶらつくとか…

リコリスを飲み込む

渋谷に、リコリスを買いに来た。リコリスというのは、彼岸花の学名(Lycoris)じゃなく、スペインカンゾウというマメ科の植物である。こちらは英語名がリコリス(Liquorice, Licorice)であり、日本語で発音するとどちらも同じく「リコリス」だが、それぞれ…

「ゴースト・シャーク(2013)」を観た【サメ映画レビュー】

白状すると、今回新たに観たのは「ゴースト・シャーク」じゃないのである。先日レビューした「MEG ザ・モンスター」の続編、「MEG ザ・モンスターズ2」を、わざわざ映画館まで足を運んで、観た。無論、レビューをしたためるつもりで、至極真面目に鑑賞した。…

新涼の新宿、ダーツバー

友人たちと一緒に、夜の新宿を歩いていた。普段なら酔っ払い共でごった返すだろう東口の通りは、日曜日の、さらには終電まで残り2時間弱という時間帯だからか、意識のハッキリした大人がちらほら歩いているだけという静けさで、拍子抜けである。私たちの目的…

省察日記

人生の先輩に、「天気の暑い寒いを引きこもりの原因にしてはならぬ」と教わったのだが、昨今の東京は、およそ暑い寒いの範疇に収まらない、並々ならぬ厳しさがあるようで、少なくとも私個人の見解では、日中に外で活動するのは不可能だと考える。しかし、こ…

24回目の八月

思い返してみれば、はじめから妙な夏であった。まだ7月であるにも関わらず、都内の最高気温は驚異の35度超えを記録し、このまま気温が上がり続ければ8月に入る頃には文字通り人が蒸発するのではないかと懸念され、冷房の設定温度は日に日に下がり、それに反…

「MEG ザ・モンスター(2018)」を観た【サメ映画レビュー】

TOHOシネマズの前を通りかかると、大口を開けたサメの横顔が大々的に印刷された巨大パネルがあった。水中から、ほとんど海面と平行になるように飛び出してくるサメの頭部を、真横から撮ったような構図である。パネルの前に立てば、今にもサメに喰いつかれそ…

方位磁針を回す

特別お題「わたしがブログを書く理由」 「良質」の対義語は「悪質」と決まっているが、単純に質の良さを表す良質と違って、悪質には、あたかもこちらに対して攻撃性があるかのように聴こえがちである。良質な水、と言われれば、富士の雪解けか何か、透き通っ…

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