春暑し、カービィを追想する

丸1年ぶりに「暑さ」によって起こされた。スマホを点ければ午前6時。羽毛布団は蹴飛ばされて大胆に捲れているし、背中はじっとり汗ばんでいて、不快指数は初夏のそれと同じである。 4月は、こんなに暑かったか。捲れた布団はそのままにして、パジャマのボタ…

巨大無機生物

久しぶりに渋谷へ行ったら、PARCOがとんでもない大きさに進化していた。約10年前、ここにはPARCOパート3が建っていたはずであり、若者向けファッションブランドが詰め込まれているにも関わらず、いつ行っても閑散とした館内が印象的であった。もう随分昔の話…

文房具とたこ焼きを天秤にかける

セロハンテープが無くなったので、駅前まで買いに出掛けた。 昔は大きな文房具屋があり、近隣の学生は全員そこに通っていたのだが、随分前に潰れてしまって以降、この街には文房具専門店が無くなってしまった。残ったのは、書店やドラッグストアに設置された…

積もる保証のない雪

風が吹き、水が流れるのと同じように、雪とは積もるものである。天気予報で「明日にかけて雪でしょう」と言われれば、「明朝は一面雪景色です」という意味で、「雪でしょう」はイコール「積もるでしょうから、そのつもりで」という呼び掛けでもある。「雪が…

エラ呼吸に想いを馳せる

今年が始まってまだ2ヶ月半にも関わらず、既に7回もマクドナルドへ行っていたことが分かり、驚愕した。毎度「しょっぱい物が食べたい」という発作的衝動に負け、気付けばマックのレジに並んでしまっている。 今日も今日とて、朝目覚めた瞬間から「マックの日…

シルバニア産の冷蔵庫を買った

書店を冷やかしに行こうと、ショッピングモールへやって来た。普段なら書店以外には見向きもせずに歩くのだが、ふと目をやった店先に、大量のシルバニアファミリーが並んでいて仰天した。 「あらあらあらあら」と店まで吸い寄せられる。先週までは只の手芸屋…

卒業式

花粉症である。いや、花粉症でした、と過去形で言えるはずだったのである。 2月が終わり、気温が上がり、ああもうすぐ春ですね、花粉ですねという恒例のやり取りが始まって、しかし私はクシャミも鼻水も全く出ていなかった。アレグラを飲みはじめた親を横目…

トイレを求めて彷徨う

両手をポケットに突っ込み、虚な目でフラフラしているのが常で、よく「何を考えているか分からない」と言われるのだが、大抵はただただ虚空を見つめているだけであって、全然何も考えていない。しかし、ここ数年は不健康極まりなく、頭痛・腹痛の毎日なので…

無地の新聞紙が溢れる街

6時間、紙を千切り続ける仕事をしてきた。 Amazon等で小さい商品を購入すると、そのままでは段ボール内で暴れてしまうから、「無地の新聞紙」をクシャクシャに丸めて同梱し、商品を固定してあったりする。あるいは、同人誌やグッズを発注すると、納品物の上…

夢現

龍角散を舐めている。CMでよく見る粉の方でなく「すっきり飴」の方である。先週、喉がいがらっぽいからと買ってきて、余った分を冷蔵庫に突っ込み、そのまま忘れてしまっていた。 一度に3個口に放り込み、カラコロやりながら袋の栄養成分表示を眺める。1袋全…

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