コッパーウィーク

ゴールデンウィークである。9月にも連休がやってくるが、今年は3連休にしかならないため、シルバーウィークとは呼ばないらしい。「最長10連休」という前代未聞の日数を叩き出し、今年はゴールデンウィークの独壇場、文字通り「金」にふさわしい輝きである。

一方私は、平日祝日に関わらず、毎日が休日のような生活なので、特別感も輝きも鈍い連休がずっと続いている感じである。連休は連休でも、金銀を通り越して、銅あたりだろうか。私は毎日が「銅ウィーク」。調べたら、銅はcopper(コッパー)であった。「私は毎日がコッパーウィークです」。海外アニメのような能天気さがある。

 

 

普段意識していないだけで、身の回りには「限定的な時と場所だから成立しているもの」が意外と多いのではないか。自分にとっては当たり前になり過ぎているが、予期せぬ時間にひょっこり現れたり、全然違う場所で出会したりすると、猛烈な違和感が生まれて、面白い。

私は毎日のようにエナジードリンクを飲んでおり、食事睡眠と同じくらい重要な存在なのだが、ふと、大草原のド真ん中で腰に手を当て、エナジードリンクをぐびぐび飲み干す自分を想像して、笑ってしまった。全然似合わない。「市街地の室内」だから飲みたいのであって、ビールのCMのように「自然を感じながら爽やかに味わう」では、どう頑張っても成立しない。もしかして田舎暮らしを始めたら、ぱったり飲まなくなるのではないか。なかなか感慨深いものがある。

また、小学生の頃、「ドラえもん」といえば金曜夜20時からだったが、現在は土曜17時からだと言う。平日の最後に夕飯を食べながら観るドラえもんと、休日の夕方に観るドラえもんでは、根本的に別物のように感じる。土曜17時のドラえもんは、ドラえもんかも知れないが、私が慣れ親しんだドラえもんでは無い。

わずかに条件が違うだけで、存在そのものの意味や役割が、変わってしまうのだ。

 

 

毎日がコッパーウィーク、日常が鈍く輝いていると、ゴールデンウィークを前にしても、特にはしゃぐことはない。

ゴールデンウィークは、その他全てが平日、そして、その平日に通勤、通学をしていて、初めて「ゴールデン」として成立するのである。

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