人間が描けないので、練習することにした。描けない原因としては、「関節が何処にあるか分かっていない」「見たものをそのままデッサン出来ない」「そもそも人間に興味がない」からである。曲がりなりにも絵を描いている21歳として、ずっとそんな事をほざいている場合では無い。
去年、一度だけ練習しようと思い、人体デッサンのテキストを購入した。身体を "骨格と筋肉から練習する" タイプと "箱や球に置き換えて練習する" タイプがあり、人間を物体としてしか見ていない私は後者を選んだ。選んで、練習して、しっかりと挫折した。箱や球に置き換えていようが、所詮人間は人間である。物体から肉体へと描き変えていかねばならない。それが出来ない。
無機物に置き換えるのには無理があると思った。今回は、じゃあひとまず、自分が想像する "人間" のイメージを描こうという事にした。最初は顔から、パーツの細かい配置は写真を見ながら、自分が1番描きやすい方法で顔を作った。結果、全人類に土下座をしなければならない程、一切の生気を感じられない、心底不気味な "生首" が描き上がったのである。