7月21日(カステラと不本意)

カステラの底に付いている紙を剥がすのが苦手だ。

普通に剥がしてしまったらカステラの底面も一緒に剥がれてしまう。捨ててしまうのは勿体ない。これは、"葡萄は皮と中身の間が1番栄養価が高い" とか、"ミカンは皮との間の白い繊維が大事" だとかと同じ類のように見える。

カステラは、紙と一緒に剥がれた部分が1番美味しいのかもしれない。フォークで削り取って食べてみたら、カステラ上部の茶色い部分と同じ味がした。

 

 

最後の砦である倉庫バイトの面接に行ってきた。

数年前にもやったことがあるけれど、社会的地位が最低ランクの人間がやる仕事である。一般的にバイトを募集している職種には全て落ちた(風俗は受けてない)ので、もうこれくらいしか私の社会的需要は無いと登録会に行ったら、ここでも面接があった。倉庫でぬいぐるみを仕分けるだけの仕事をさせるのに、面接でふるいをかけるのだ。

死んだ目をした若い事務員さんから志望動機を聞かれ、保険証を見せて、面接シートと誓約書にサインして顔写真まで撮られて、「採用の場合のみ1週間以内にご連絡します」だ。

これで不採用だったら、隅から隅までの個人情報を差し出して、お返しに自分の社会的需要の無さを再確認させられただけである。

ひどく不本意な時間を過ごした気がしたが、面接とは元来そう言うものだったなと思い出した。

未だ連絡は来ていない。

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