「デビルシャーク(2015)」を観た【サメ映画レビュー】

個人的ベストオブ・クソサメ映画ランキングが更新されてしまった。

 

全シーン理解不能で、もちろんサメは出てこない。いや、出ては来るけれども、怪しいサメが泳いでいるカットのみである。そして何故か、全編通して舞台が湖なので、人間が大勢居るシーンが無い。

 

恐らくは「殺人鬼が呼び寄せた悪魔の魂がサメになって現れた」みたいなストーリーなのだけれど、悪魔が色んな人間に噛み付いて乗り移っていくから、誰が本体なのか分からない。

悪魔に乗り移られた人間は、口から緑色の液体を噴き出すようになる。もはやサメ映画では無い気がする。

 

エンディング後も、意味ありげだけど全く無意味なエピローグが続き、蛇足に次ぐ蛇足。呆気にとられてしまう。

唯一面白かったのは、若い男女2・3人が刺青を入れており、それが「天使」や「父」等日本語で、親近感が湧いたことくらいである。

「天使」はまだしも、ヤンキー兄ちゃんはどうして肩に大きく「父」と入れてしまったのだろうか。

そんな事ばかり考えていたら、いつの間にか映画は終わっていた。

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「シン・ジョーズ(2016)」を観た【サメ映画レビュー】

「シン・ジョーズ(2016)」を観た。

シン・ジョーズは邦題で、原題は「アトミック・シャーク」"核実験によって突然変異したモンスターシャーク" 、つまりはゴジラのサメバージョンである。

ゴジラをオマージュしてわざわざ邦題で「シン・」を付けたり、映像も随所に遊び心が感じられたりで面白かった。

サメの境遇が可哀想だからストーリーそのものは重いはずなのに、主人公がサメ映画史上最高に役立たずの阿呆なので、終始笑いながら観ていられる。ゴジラにもジョーズにもそこそこの敬意を払っているのが感じられて、とても良い。あくまで「そこそこの」だけれども。

 

サメに喰われて上半身だけ残った身体が海面に飛び出したり、ありそうで無かった演出が盛り沢山で最高だった。

1番良かったのは、人間が破裂するシーンである。特に男の子の頭が破裂するのは3回観直した。サメの体液を被った動物は膨張して破裂してしまう。破裂シーンは全体では数える程しかなかったが、ゾンビ映画にも引けを取らないリアルな描写なので満足である。

 

コンセプトも設定もしっかりしていて、他のサメ映画とは一線を画している。そのまま新たなサメ映画ジャンルを確立していって欲しい。

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「チャイルド・プレイ(1988)」を観た【ホラー映画レビュー】

チャッキーシリーズの始まりを知りたかったので「チャイルド・プレイ(1988)」を始めて観ました。人形が動く理由がオカルティックなのにちゃんと理屈が通っているのが面白かったです。

 

ハイライトは冒頭の、主人公のママの親友マギーが、チャッキーに驚いて窓から転落するシーンでした。

五階建てくらいの高さから窓を突き破って転落する、その落ち方が最高でした。窓を突き破り、腕をぐるぐる回して宙でもがきながら、落ちていく時に頭を守ろうとして庇い、そのせいで身体が捻れて、ちゃんと背中から着地していました。

私は熱狂的な映画オタクではないので、全ての映画は知らないけれど、今まで観た映画の中で1番良い転落死でした。とても良かったので3回巻き戻しました。

 

ちなみに、映画作品で1番良いと思うビンタシーンは、ダントツで「タイタニック(1997)」の、ヒロインが いいなずけだか誰だかに怒られてビンタされるシーンです。

 

サメ映画論(アサイラム)

サメ映画の何が良いって言ったら、必ずサメに喰われて人が死ぬところである。喰われて死ぬから腕だけ残ったり、頭が転がったり、足だけまるっと無くなったりして、面白い。

「ジョーズ」は、観たのが昔すぎて全然覚えていないけれど、サメ映画の始まりは「ジョーズ」なんでしょう。私は現代っ子なので、ジョーズの遅すぎる展開では物足りない。

 

最近のサメ映画は「なんでもオッケー」が過ぎて最高だ。

「シャークネード」シリーズは「竜巻(トルネード)にサメが巻き上げられて街まで来ちゃった!」で5作は続いているし(最新のは未鑑賞)、「スリーヘッドジョーズ」が出たと思ったら「ファイブヘッドジョーズ」「シックスヘッドジョーズ」まで出た。先日観た「ビーチシャーク」(砂浜を泳ぐサメ)は、もはやサメである必要性すら無いようにみえる。「サメ映画」で検索すれば他にも「ハウスシャーク」とか「シャークトパス(たぶんシャーク+オクトパス)」だとか、面白タイトルが目白押しである。

 

 

サメ映画は「パニック映画」だけれども、ほかのパニック映画に比べて圧倒的に緊張感のない映画だと思われる。

ウイルスが蔓延する系などは、人が辛い思いをしながら死んでいくので、観ていて辛くなってしまう。医療シーンも緊張感があるし、何より現実に起こったら怖いし。

それに比べて、サメ映画は緊張感なんて微塵もない。ここで言う「緊張感」とは「登場人物たちの緊張感」ではなく、 「観ている我々の緊張感」である。サメと戦う主人公たちは大変な状況だけれど、観ている方からしたら、バカバカし過ぎて笑えてくる。笑えるパニック映画は、サメ映画だけかと思われる。

 

もう一つ、サメ映画の良いところは、映像のチープさ。もちろん、素晴らしいCGのサメ映画もあるのかもしれないけれど、私は見たことがない。サメ映画のサメは「頑張ってCGで作ったんです!」という感じだし、喰われた人の血や内臓も、生々しいの前に作り物感があり過ぎる。それが良い。ウイルス蔓延系も天災系も、リアル過ぎるのだ。リアル過ぎて、私のような不謹慎な人間は泣いてしまう。

 

 

サメ映画はハズレがない。必ずサメが暴れて、必ず人間と戦う。サメにはどんどん進化していってもらいたい。

だからそろそろ、「海岸沿いの人造人間研究所に巨大サメが侵入し、人造人間と合体して人類を滅ぼす」映画が観たいです。

アサイラムに!とどけ!

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