「ハウス・シャーク(2018)」を観た【サメ映画レビュー】

フランケンジョーズ」以降、GYAOでは新しいサメ映画の配信がぱったり途絶え、「遂に不評なのが運営にバレてしまったか」と焦りかけたが、こっそり追加されている作品があった。

「ハウス・シャーク」。サメ映画にしてはだいぶ強気、2時間の超大作である。

 

 

結論の結論から言うと、チープさ・演技の下手さ・尺の無駄使い、全てが揃った「完璧過ぎるベストオブ・クソサメ映画」であった。他にもクソサメ映画は沢山あるが、こちらは2時間あるので次元が違う。

 

「ハウス・シャーク」のタイトル通り、サメは終始家の中でしか登場しないため、いくらアメリカの家が広いとはいえ、必然的にサメが大写しになるシーンが多い。

ので、サメはたいそう大掛かりな「工作」で作られたと見られる。アップになる度に背びれの「粘土感」が生々しい。

 

一番面白かったのは、全然サメと関係ない場面。「サメが出る家を売ろうと企む不動産会社の社長室」にある「創業者の蝋人形」である。

博物館にあるような、本物の人間そっくりの人形が置かれているのだが、何回見ても「本物の人間」なのである。「本物のおじさんそっくりの蝋人形を演じるおじさん」のカオスさに、本編で一番感心したシーンとなった。

 

2時間の中で面白いことと言えばこれくらいで、そのほか意味不明かつ長ったらしいストーリーをやり過ごすため、スマホ片手に何とか暇を潰しながら耐えていたが、2時間近くあれば充電も切れてしまう。結局、後半3分の1は虚無画面を凝視する羽目になった。

 

で、2時間引っ張ったラストはどうなるのか。

大まかにはジョーズと同じ、「サメの口に爆弾を入れ、撃って爆発させる」のだが、クソ映画なので、そうそうシンプルにはいかない。

ラストは、サメに喰われかけたアル中のおっさんが「俺を打て!俺の血液はほとんどウイスキーだから、引火して爆発するだろう!」と叫び、真に受けた主人公が発砲。サメは大爆発を起こして家ごと木っ端微塵になり、めでたしめでたし、である。

ひとつも理屈が通っていないし、特に迫力も無ければ爽快感も無い。

 

ちなみに、アル中のおっさんも主人公も生きており、エンドロールでは荒地となった家の跡地で、生首だけになったおっさんとジョークを交わしながら、吹っ飛んだおっさんの四肢を拾い歩く主人公を観ることができる。

 

 

調べてみれば「ハウス・シャーク」はクラウドファンディングで作られた映画らしい。

「目標金額を脅威の1150%超え」なんて書かれているから、「そんな大金が集まったのに何でこうなった!」と思ったら、そもそも目標金額は10万円ちょっとで、うっかり200万集まってしまったとのこと。お年玉で映画を撮ろうとしていたのかな。

 

「ハウス・シャーク」は、「ポテンシャル10万円の人間に200万円使わせた結果」を観る映画でした。

興味のある方は是非。

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