サメ映画論(アサイラム)

サメ映画の何が良いって言ったら、必ずサメに喰われて人が死ぬところである。喰われて死ぬから腕だけ残ったり、頭が転がったり、足だけまるっと無くなったりして、面白い。

「ジョーズ」は、観たのが昔すぎて全然覚えていないけれど、サメ映画の始まりは「ジョーズ」なんでしょう。私は現代っ子なので、ジョーズの遅すぎる展開では物足りない。

 

最近のサメ映画は「なんでもオッケー」が過ぎて最高だ。

「シャークネード」シリーズは「竜巻(トルネード)にサメが巻き上げられて街まで来ちゃった!」で5作は続いているし(最新のは未鑑賞)、「スリーヘッドジョーズ」が出たと思ったら「ファイブヘッドジョーズ」「シックスヘッドジョーズ」まで出た。先日観た「ビーチシャーク」(砂浜を泳ぐサメ)は、もはやサメである必要性すら無いようにみえる。「サメ映画」で検索すれば他にも「ハウスシャーク」とか「シャークトパス(たぶんシャーク+オクトパス)」だとか、面白タイトルが目白押しである。

 

 

サメ映画は「パニック映画」だけれども、ほかのパニック映画に比べて圧倒的に緊張感のない映画だと思われる。

ウイルスが蔓延する系などは、人が辛い思いをしながら死んでいくので、観ていて辛くなってしまう。医療シーンも緊張感があるし、何より現実に起こったら怖いし。

それに比べて、サメ映画は緊張感なんて微塵もない。ここで言う「緊張感」とは「登場人物たちの緊張感」ではなく、 「観ている我々の緊張感」である。サメと戦う主人公たちは大変な状況だけれど、観ている方からしたら、バカバカし過ぎて笑えてくる。笑えるパニック映画は、サメ映画だけかと思われる。

 

もう一つ、サメ映画の良いところは、映像のチープさ。もちろん、素晴らしいCGのサメ映画もあるのかもしれないけれど、私は見たことがない。サメ映画のサメは「頑張ってCGで作ったんです!」という感じだし、喰われた人の血や内臓も、生々しいの前に作り物感があり過ぎる。それが良い。ウイルス蔓延系も天災系も、リアル過ぎるのだ。リアル過ぎて、私のような不謹慎な人間は泣いてしまう。

 

 

サメ映画はハズレがない。必ずサメが暴れて、必ず人間と戦う。サメにはどんどん進化していってもらいたい。

だからそろそろ、「海岸沿いの人造人間研究所に巨大サメが侵入し、人造人間と合体して人類を滅ぼす」映画が観たいです。

アサイラムに!とどけ!

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