※素人の妄想

「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」をご存知だろうか。3月から日曜の朝枠で放送される、テレビ朝日の戦隊ものである。

書店の子どもコーナーに並べられた雑誌の内、3分の1近くの表紙を、この「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」が飾っていた。主人公であろうレッドの額にはピンク色のオブジェが貼り付いており、後頭部からはちょんまげのような突起が生えている。

日本人なので直ぐピンと来た。雑誌を捲れば「2022年のスーパー戦隊は《桃太郎》がモチーフ!」である。未だかつて、こんなにも単純明快な元ネタがあっただろうか。

 

面白いのは、5人のビジュアルである。

主人公「ドンモモタロウ」は額に桃が貼り付いている。他、「サルブラザー(ブルー)」は筋肉質な体型に加え、肩から手首にかけてゴリラのような毛深さであり、「キジブラザー(ピンク)」は華奢で脚が長く、10頭身以上あるモデル体型。対して「イヌブラザー(ブラック)」は3等身のデフォルメキャラ。

そして何といっても注目すべきは、棍棒を持ち、2本の角を生やした「オニシスター(イエロー)」である。

 

味方に「鬼」がいるのである。

桃太郎が元ネタなのだから、敵のポジションはどう転んでも鬼だろう。確実な敵方であるはずの鬼が、どうして初動メンバーに加わっているのか。

 

 

幼少時代、オニシスターは鬼ヶ島の小さな集落で、仲の良い両親と優しい兄に囲まれ、慎ましくも幸せな暮らしを送っていた。オニシスターは、両親と兄がいる家が大好きだった。

オニシスターが15歳になった春。兄は成人を迎え、本土へと渡ることになった。家計を支える為である。兄と離れるのは辛かったが、自分も大人になったら兄を追いかけようと心に決めた。

 

月日が経ち、成人を迎えたオニシスターはひとり、本土へと渡る。人づてに聞いた兄の家を探し、慣れない土地を歩き回って、ようやく見つけたその場所に、兄の姿は無かった。

途方に暮れ彷徨うオニシスターは、道中、何者かと闘うドンブラザーズと出会う。聞けば、本土では未確認生物による襲撃が頻発していると言う。住民を守るために命をかけるドンブラザーズに心を打たれ、オニシスターは彼らと共に襲撃の犯人を見つける決意をする。

 

数々の闘いを切り抜け、ある日倒した敵の1人が、首謀者の在処を吐いた。

ドンブラザーズは果敢に乗り込み、襲撃全ての首謀者と対峙する。闇に首謀者の声が響く。

「守るべきものは何か」

暗がりから現れたヤツの額からは2本の角が生えており、その姿はオニシスターと酷似していた。

「...兄さん?」

 

肉親と闘う葛藤。兄はなぜ、本土の住民を襲う「鬼」へと変わってしまったのか。本当に守るべき正義とは一体、何なのか。

 

 

想像が膨らんでしまう。

ストーリーやキャラクターについての情報は、まだ解禁されていない。素人の想像の範疇で「良い感じ」になるのだから、プロが製作した本編は、遥かに素晴らしい作品だろう。

 

3月が、待ち遠しい。

 

※素人の妄想

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