12月22日(イベント)

年の瀬が目前まで迫る今日この頃。実家には連日、お歳暮の菓子やら果物やらが届き、それらを毎食我が物顔で消費しながら、私個人はといえば、自室の大掃除も断捨離も年賀状の作成も完了してしまって、見事スッカラカンになった時間を前に、ただただ呆然と立ち尽くしている。

12月初めから薄々勘づいてはいたが、「持て余した空虚な時間」をやり過ごすというのは、想像以上に気力体力を必要とする作業であった。起床して食事をとって、それでお終い。あとは夜がふけるまでの半日を、YouTubeとネット記事を行ったり来たりしながら凌いでいる。世界的にイベントムード沸き立つ12月に、これだけ非文化的な生活をしている人間は、私だけなのではないか。

 

 

世間では「師が走りまわっている」らしいが、実際、駅前まで行ってみれば、人の行き来は普段と大して変わりなく、よそよそしいのは大通りのイルミネーションとか駅地下街の飾り付けくらいである。

 

そもそも、クリスマスや大晦日等のイベントは「当日1日限り」であるはずだが、「当日」から放たれる「イベントムード」の効力は、時代と共にどんどん強まっている気がする。

クリスマスは12月24日・25日の2日間が「当日」だが、例えばケーキの受注は11月には始まり、それに伴ってクリスマスケーキ宣伝ポスターは秋ごろから掲示され始める。人々はハロウィンが終わってすぐにクリスマスを意識し始め、飾り付けやプレゼントの予定が頭の片隅を占めるようになる。12月に入れば、いよいよクリスマスムードが濃厚になり、「当日」に予定が合わない人々は独自の日程でクリスマスパーティーを催したりもする。

 

この場合、クリスマス「当日」は2日間だけなのにも関わらず、「クリスマスムード」は10月下旬から当日までの1ヶ月半もの間、効力を発揮し続けていることになる。強過ぎやしないか。クリスマスの「実体」が実は2日間しかないことを、皆忘れかけてはいないだろうか。

 

 

「特別な1日」であるべきイベントの実体が、あやふやになってきた今日この頃。

クリスマス・大晦日の具体的な予定は微塵も無いが、実体が無くとも「イベントムード」にはもれなく浸れる優しい世界である。

華やかな色にどっぷりと漬け込まれた空虚な12月は、外側だけが染色されて、中身の味気なさがより一層際立つ仕上がりとなっている。

 

メリークリスマス。