12月8日(サブスク)

大流行のアニメといえば「鬼滅の刃」と「呪術廻戦」である。元よりアニメ好きだから両者とも観たい気持ちは山々なのだが、いざ現在放送中のチャンネルを見つけても「1話から観ないと許せない」という無意味なプライドが邪魔をして一向に輪の中へ入れない。他人が会話しているところに「なんの話?」って加われないのと同じである。

遂にAmazonプライム等、動画サブスクに加入する時が来たか。腹を括って月額引き落としを受け入れるしかないのか、独り悶々としながら数多のサービスを比較していた最中、なんとなくGYAOの配信アニメ一覧を開けば、「1話から見る」の欄に「呪術廻戦」が追加されていた。無料配信万歳、GYAOはいつでも金欠の拠り所である。

 

12月1日から24日まで、「呪術廻戦」全24話が毎日1話ずつ配信されるという。文字通り「呪いのアドベントカレンダー」である。

リアリティ重視の作品ばかりに触れてきたので、戦闘のたびに壊滅状態になる学校やらビルやら山々に「警察と消防には何て説明するんだ」と毎度驚愕しながら観ている。随所で納得しかねる展開はあれど、何となく続きを観てしまうのが人気アニメらしい。このまま最終話までゆるりと完走し、24日公開の映画も当然観に行くのだろう。企業が作った集客の波にまんまと乗せられている。

 

結局のところ「待てば無料で観られるかも」という可能性に賭けてしまって、いつまで経ってもサブスクに手が伸びない。そもそも口座に3桁あること自体が稀な人間にとって「毎月数百円自動引き落とし」という事実は恐ろしすぎる。現在、毎月引き落とされているのはGoogleの容量拡張たかだか250円のみだが、これが私の精一杯な気もしている。

近年では、死んだ後も故人のアカウントからサブスク課金が続いている「デジタル遺品」の負債が存在するらしい。目に見えないサービスに対価を支払う、目に見えない故人の分身が生き続ける様子には、サイバーパンクな趣きがある。

 

私は今のところGoogleだけなので安心してください。Googleアカウントは、3ヶ月以上使用しなければ自動的に消えるようになっています。

願わくば、死ぬ時は数多のアカウントと共に。

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