8月11日(身分証明)

新しいアルバイト先に入社するにあたり、マイナンバーカードと年金手帳と通帳と、そして身分証明書が必要とのことで、免許を持っていない自分は「住民票」を提出することにした。

 

市役所までは地味に遠い。徒歩圏内ではあるものの、30度を平気で超えてくる炎天下、紙1枚の為に外出するなど、気力体力の無駄である。

 

欲しい物・食べたい物もスマホひとつで手元に届く時代に、まさか住民票だけは取りに行かなきゃならない、なんてことは無いだろう。家のプリンターで印刷できたりしないものか、と調べてみたら、家では無理でも、コンビニのコピー機ならプリント出来るらしい。

インターネット万歳。コンビニまでなら出向いてやっても良いぞ、住民票。

 

 

コピー機の液晶画面「行政」のボタンを押し、用紙の選択画面で「住民票」を選択する。

次に「マイナンバーカードをセットしてください」と言われたのだが、いくら待ってもUSBメモリ等を挿す箇所のカバーが開かない。

 

はて。勝手に、カードを挿し込むかスキャンするかだとばかり思い込んでいた。オロオロしながら見渡すと、画面の横にカードと同じ大きさの凹みがあった。凹みにカードを置けと言うのである。

 

機械が読み取れる部分はカードの裏面だから、表を上にして置かなければならない。勿論、読み取らせる為に、カードは透明フィルムから出して置く。

すると如何だろう、必然的に顔写真を晒す形になるのである。

 

マイナンバーカードを作ったのは19歳の頃で、これまでの人生で1、2を争う不細工な写真が使われている。こんな写真と、あわせて住所・氏名全ての個人情報とを、コピー機が読み取るまでの間、外に晒し続けなければならないのである。ちょっと目が良い人には一瞬で、私の個人情報と黒歴史が露呈するだろう。

おかげで読み取り完了までの数分間、背後に並ばれないか、通り掛からないかばかりを気にする羽目になった。

 

 

そもそも、身分を紙面で証明するなど、時代錯誤甚だしいではないか。

「自分は誰か」を証明する紙をもらう為に、さらに証明する紙やカードが必要で、何枚もの紙を集めてやっと「自分は間違いなく自分」だと証明するのである。

 

一生の間に身分証明する回数と、それに毎回掛かる手間とを考えると、産まれた瞬間に個人識別マイクロチップでも埋め込んでしまった方が、よっぽどコスパもセキュリティも良いと思います。

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