7月1日(購入欲)

「何かを買いたい」「でも実際に何が欲しいのかは分からない」を延々と繰り返している。

確かに何か新しい物が欲しいのだけど、その「何か」が全くハッキリしない。欲しい物が決まっていないので、所謂 "物欲" とは違う、言うなれば "購入欲" である。

 

通販サイトをダラダラと徘徊しては、「良いなあ」と思った物をカートに入れてみたりもする。前から欲しかったが直ぐには必要でなかった物、いつか買えたら嬉しいと思っていた化粧品、YouTuberがオススメしていたガジェット類、意外と安かった可愛いTシャツ。

そして数分後、「さあ買ってやるぞ」とカートを開けば、ページに並ぶ商品たちに、"欲しい" の熱はみるみる下がり、結局は冷静に「今これらを買う必要は全く無い」と、何も買わずにサイトを閉じてしまうのである。

そんなことを1週間程度繰り返していたら、最後のほうには「良さげな商品をカートに入れた」という事実だけで、何となく満足出来るようになった。

 

現実でのウィンドウショッピングとは違い、ネットショッピングは購入一歩手前ギリギリまで進めるからこそ、店舗に行かず・支払いをせずとも「購入の擬似体験」を得られ、"購入欲" を満たすことが出来る。

 

もしかしたら、実はカートにすら入れなくとも、例えば商品を「お気に入り」や「欲しいものリスト」に追加した時点で、客は数パーセントの満足感を得てしまっているのでは無いか。

「お気に入り」機能をとっぱらえば、利便性は落ちるが、幾らか売り上げが上がったりするのだろうか。

 

「商品を自分のページに追加した・自分のカートに入れた」ことで、"購入欲"、商品を購入した先の "所有感" を幾らか味わえてしまうのが、ネットショッピングの凄いところです。

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