6月23日(ビジネスホテル)

先週から何かと忙しく、何をしていたのかと思い返せば、信じられないことだが「仕事をしていた」ようである。

深夜までの仕事があり、次の日も朝から仕事という金曜日、職場の先輩に連れられ、生まれて初めてのビジネスホテルに宿泊した。

 

都心のビジネスホテルなど高くて狭いばかりだろうという想像を見事に裏切られ、とんでもない広さ、とんでもない綺麗さである。

入ると、正面に広いバス&トイレユニットルーム。右手に折れ、部屋にはシングルベッドが2台、ゆったりと間隔を空けて置かれている。ベッドの向かいには大きな壁掛けのテレビ。1番奥には道路を見下ろせる窓があり、部屋の角にはデスクとソファが据え置かれている。10帖をはるかに超え、旅行先で寛ぐためのホテルと、何ら変わらない。

これで素泊まり1人4000円程度なのだから、都心のホテル業界も大変だなあと、感心してしまった。

 

 

大きすぎるテレビで、芸人が騒ぎあうだけの深夜番組を垂れ流し、ソファに埋もれながらスマホを弄っていると、不意に、面白いCMが聴こえてきた。

『コンタクトレンズで景色のコントラストがくっきり』と言うものである。

物の輪郭がハッキリするのか、視界の彩度が高くなるのか、そのコンタクトを付ければ、目の前の景色が今よりも良くなるらしい。

 

そもそも、低視力でボヤける視界をクリアにする為のコンタクトなのだから、ハッキリ•クッキリするのは当たり前な気もするが、プラスアルファで、文字通り "目に見えて" 変わるのだろうか。

彩度・コントラストを変えられるのであれば、今後、視界に好みのフィルターをかけて、好きな世界観で過ごせるようなコンタクトレンズが出てくるのかも知れない。

 

 

夢うつつでグウタラしていたら、もう0時を回っている。

いい加減、寝る準備をしなければと、アメニティから歯ブラシの封を開けて歯磨き粉を付ける。ホテルでも民宿でも旅館でもそうだが、何故アメニティの歯ブラシは、こんなにも毛足が長いのか。薬局で売られている歯ブラシは、みんなこの半分位の毛足ではなかろうか。

 

大きい歯ブラシで口内をワサワサ泡立てながら、「日本中のホテルの歯ブラシが使いやすくなるのと、コンタクトレンズで視界にフィルターをかけるのが流行るのと、どっちが先だろうな」などと、至極どうでも良いことを考えていた。

東京未明。

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