5月5日(尻尾と家賃)

深夜0時の仕事帰り、夜道で前を歩く若い男性が、腰に薄手のカーディガンを巻いている。

薄手だから腰回りの形がよく見えるのだけど、尻の中央あたりに、長く垂れる棒状の形が揺れている。

恐らくは、男性の正体はキツネがタヌキで、夜だから誰も見やしないと、気を抜いて尻尾を出しっぱなしにしているのであろう。

「バレていますよ」 と声を掛けようかと思ったが、久しぶりに尻尾を解放した外出を楽しんでいるのだろうから、見ていない振りを決め込むことにした。

 

 

ひとり暮らしを始めるに当たって、どう切り詰めた計算をしても、今の給料では家賃に4.5万円までしか出せないので、都内近郊家賃5万円以下のワンルームを探しているが、当たり前ながら駅から遠い。

普段ほとんど家から出ないとは言え、駅まで徒歩25分では、本当に何処にも出掛けず、日に当たらない生活になるのでは。しかし、薄給なのはどうしようも無く事実なので、打開策として「キックボード(ミッフィーが乗り回しているスクーター)」の購入を検討している。

自転車の運転は危険だけれども、キックボードで滑走すれば安全に、10分くらいで駅に着くのではなかろうか。

secret.[click].