前を歩くOLが、スマホで動画を自撮りしながら歩いている。特に見ようとしたわけでは無いけれど、何となく視線を動かしたら、スマホ画面内のキメ顔と目が合ってしまった。
これが鏡であれば、向こうからも私が見えているはずだが、スマホの場合、OLは画面越しに私と目があっているのだろうか、その自撮り動画に、覗き見している私は写っているのだろうか。
複雑な気分になるから、前方での自撮りは勘弁して欲しい。
個人的に、文章を書き始めるには文章のストックが必要で、ストックが切れると、文章の作り方そのものを忘れてしまう。
ストックとは要するにインプットの事であり、他人の文章を読み、他人の文章をインプットし、他人の文章を例文として、自分の文を完成させている気がする。
結局のところ、私はゼロから文章を作っているのではなく、インプットした "例文" に自分を当てはめて、正解の文章らしくしているのである。文筆において、私は限りなく2次創作に近い場所で作業しており、それが当たり前と言えば当たり前のことなのかもしれないが、絵や他の創作物と違って、文筆では "例文" の雰囲気が余りにも濃く見えている。
私は「考える」ことが得意なだけであって、決して「書く」クリエイターでは無いのである。