1月12日(夢オチと三島由紀夫)

今年に入ってからというもの、毎晩のように夢の中で知らない人間に馬鹿にされ、「クソ野郎」と怒鳴り散らして相手をぶん殴るところで目が覚めるので、これが夢オチで無くなったら最後、いよいよ居場所が無くなって社会的に死んでしまうなと、日々自分を律し続けている。情けない事この上ない。

 

三島由紀夫の「不道徳教育講座」を読んでいますが、何せ天才狂人の随筆なので、一言一句、1文字目も2文字目も隅から隅まで重みがあって、例えるなら、書き込みが多く線の密度が半端でない漫画のようで、素人にとってはまず次の章に行くまでが大登山である。かく言う私も、半章読んではスマホを弄り、1章読んでは机に突っ伏しを繰り返し、読み始めてから半月近く経ってしまった。三島作品は他に「仮面の告白」しか読んだことが無いのだけど、フィクションなら文章の後ろにあるのはフィクションのパワーだから、物語に圧倒されるだけで済むが、エッセイだと文章の後ろには三島由紀夫本人が仁王立ちしているので、狂人的パワーに打ちのめされてしまう。せめて本人の狂人さを薄めるようなエピソードなど無いものかと探してみたりしたけれど、今は亡き狂人が、狂人でなくなるはずが無いので、無駄でした。

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