11月26日(パン屋とご近所)

駅前のパン屋にクッキーシューが置かれる様になったので、パン屋らしく厚みのある生地に期待を膨らませて齧り付くと、シュークリームらしからぬ風味がある。よく考えたら、メロンパンの、上のクッキー部分で作ったシュークリームらしい。美味しいのか不味いかと問われようにも、「そもそもこれはシュークリームなのか」という所で止まっている。

 

"ご近所さん" とは、どこからどこまでの事であるか。マンションの隣部屋同士でも、どんな人間が住んでいるか知らないようなこの時代に、一軒家同士でのご近所付き合いでは、一般的にどれくらいの範囲内だろうか。隣家の苗字は知っている、ばったり出会したら挨拶もする。住宅街だったら、向かいの住人とも会釈程度は交わす仲である。真後ろの家はどうか。それぞれの玄関と玄関が外方を向いていれば、基本的に顔を合わすことは無い。実際、私は真後ろの住人の顔を見たことが無いし、そもそも何某宅なのか知らない。後ろは無視して、横と、前の家と "お付き合い" があるが、では、全住宅街に住む日本人、斜向かいの家はどうだろうか。真正面と違って玄関と玄関が遠いから、同時に玄関を出ても、顔が合うわけでは無い。しかし、たかが斜向かいなので、相手の苗字は知っている、何なら同じ自治会の人かもしれない。ふとした拍子に目が合ったら、どうしたらいいのか、買い物から帰るとちょうど外に出て来た斜向かいの人間と目が合い、コンマ何秒かで考え巡らせた結果、無難に会釈をしたのだけど、スイと顔を逸らされてしまった。今日は随分、冷え込んだ天気である。

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