iPhoneケースは透明な物と決めている。iPhoneそのもののデザインが好きだからで、また、iPhoneをiPhoneとしてしか持ちたくないからである。
最初は100均のクリアケースだったのだけど、1週間程度で表面に傷が目立ち始めた。すぐに限界を感じ、今度は300円のクリアケースを購入した。傷が付きにくいのは勿論、角ものっぺりしておらず、幾分かスタイリッシュに見える。嬉しくなって、中にステッカーを挟んで使っていたら、ステッカーの形に跡が付いてしまった。
そして新たに購入したのが、1000円のクリアケースである。形もこれまでで1番良く、半年以上経った今でも傷が見えないし、埃も入りにくい。
これだけ値段とクオリティが比例している商品は、この世でスマホクリアケースくらいだと思っている。
曇天。
教室のドアを開けると、雑談していた全員が一斉にこちらを振り返る。一瞬の間の後、何も見なかったかのように、また雑談し始める。
窓際の1番後ろの席にランドセルを置いて、ああ、此処は夢の中だったなと思い出した。
ベランダに出るガラス戸を殴って、外に出る。ここは3階だから、現実だったら骨折するだろう。飛び降りてみると、ちょうど砂場の上に着地した。
校門へ走る。パンツ一丁である。門を出れば商店街。頭のおかしい服屋のお姉さんがケラケラ笑っている。お姉さんは、随分サイケデリックな配色のワンピースを来ている。
商店街を走る。自分が誰だか分からなくなって、涙が出てくる。
わんわん泣きながら、パンツ一丁で商店街を走り抜ける。