7月17日(キャロット人間と飽き性)

用意する物は、カッター・水・脱脂綿・テープ・ニンジンの種・手鏡である。

まずは天井に5センチ程の切れ込みを十字に入れる。部屋はなるべく日当たりが良い方が好ましい。切れ込みから10センチの高さまで掘り起こし、10センチ四方の立方体の凹み作る。そこに十分な水を染み込ませた脱脂綿を詰め込み、最後にニンジンの種を載せて、薄い脱脂綿とテープで固定する。脱脂綿が乾かないようにこまめに水を染み込ませる。発芽したら、ちょうど見上げて自分の顔が映るように、芽の隣に手鏡を固定する。

毎日欠かさず手鏡を覗き込めば、一年程度で緑色をした円錐形の角が生え始め、やがて壁紙を突き破ってあなたと同じ顔をした、オレンジ色の子供が顔を出す。これが "キャロット人間" である。

 

目まぐるしく変わるサイトデザインを見れば分かるように、私は病的な飽き性である。好きな色は毎日違うし、スマホゲームは1ヶ月も続かない。

しかも、今までの履歴を完全に消去しないと気が済まないので、その度に全取っ替え・全消去する始末である。200時間プレイして作り上げたゲームのワールドを一瞬で消してしまうし、新年に新しく購入した手帳も半年で買い替えてしまう。"自分がやってきた事・物を積み上げていく" ということが出来ないのだ。

ちなみに、毎日食事をする、お風呂に入る、同じ場所に出掛ける等々にも完全に飽きてしまった。これらは記憶を抹消するのも困難だし、かと言って飽きたからやらないという訳にはいかない。

日々を生きていくということは大事業なのである。

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