7月11日(口内炎と影響力)

口内炎が痛過ぎるので貼るタイプの薬を買ってきた。丸いフィルムを患部に直接貼り付ければ痛みが気にならなくなるらしい。

早速唇を裏返してフィルムを患部に押し付けると、ここ数日で1番の痛みが走って悶絶した。

"痛くて喋れない・ご飯を食べられない口内炎に" が売り文句だったし、ネットの口コミにも "貼る時しみる" なんて見当たらなかったから、勝手に "貼ると痛みが治る" ものだと思い込んでいた。

思い込んだ自分が悪いが「してやられた」気分である。1人でウンウン唸りながら、残り11枚も貼る度にこの痛みを味わうのかと絶望した。

 

 

今日は書店に買い出しに行った。

2ヶ月に1度くらいのペースで本をまとめ買いしてしまう。入ってすぐの小説の棚に殊能将之の「ハサミ男」がどっさり並べられていた。先日、"世界一受けたい授業" 番組内で有田哲平さんがオススメの本として紹介した作品である。

と言っても紹介したのはほんの30秒程で、にも関わらず紹介が終わった瞬間にはメルカリに出品されていた「ハサミ男」は完売していた。

私もミステリー好きなので買いたかったのだが、調べると "既に廃版" と出ていたので諦めていた。そして今日である。

なんだ、"廃版" は見間違えだったのかと何気なく発行日を確認すると、"2020年6月22日" であった。テレビで芸能人がチラッと紹介しただけで廃版した本が増刷されたのだ。一言の影響力の凄まじさに、"アインシュタインのメモが2億500万円で落札された" ニュースを彷彿とさせられた。

私も、私の一言で市場が動いたり、しれっと書いたメモが2億で売れたりする人間になりたい。

「ハサミ男」と漫画の新刊1冊と、坂口安吾と坂口安吾を抱えてレジに並んだ。

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