若気の至り

私はなんだか、歳の割に随分子供っぽい髪型をしている。自分に近しい雰囲気をインスタグラムで探そうとして、行き着いたのは「ボブ」とか「マッシュ」だとか呼ばれる髪型だったが、実際、鏡を挟んで対面した私は、身も蓋もない言い方をすれば、「キノコ」「…

ドコモタワーを見上げて

代々木という街は不思議な場所で、新宿から徒歩数分の地続きでありながら、新宿のように流行のブティックが並ぶわけでも無ければ、百貨店も映画館も見当たらない。かと言って、裏原のように、路地裏に洒落た古着屋街が隠れているわけでも無く、代官山(なん…

3人寄れば

日本に在住する全員に問う、蚊は、夏の風物詩ではないのですか。蚊について、あまりにも書き過ぎているという自覚はしっかりあるのだが、総じて在るのは嫌悪感だけで、好き好んで論じている訳ではないということを、ここに断言する。嫌なことに出会しても、…

知らない街を歩く

最寄駅から地下鉄を乗り継ぎ、実に30駅近く、1時間しっかり熟睡して、ハッと目覚めると、車窓には全く知らない駅のホームがあった。目的地である。眠っている間に、より地中深くまで潜っていたらしい、地上へ続く階段は滅多にお目にかかれないほど長く、急勾…

時代は

関東地方でも1日の最低気温が10度を下回り始めた10月の下旬、毎年この頃から、私は会う人会う人に「時代は冬ですね」というギャグを披露してまわっているのだが、これが非常にウケが良い。「時代」という100年単位のスケールと並べた時、冬はあまりにも無力…

天高く、月

秋は天高く、浮かぶはイワシ雲、ウロコ雲、水蒸気質の巨大な魚が、遠くにゆったり横たわり、偶然発見した人は、まるで生まれて初めて空を見上げたように、広大なる天の青さに陶酔する。 無論、実際空の高さは年中同じで、ただ雲が夏より高い位置に発生するか…

制作か製作か問題

昨年末から約1年間使ってきた名刺の在庫が切れたので、発注することにした。せっかくならデザインを一新して、2023年、気持ち新たに自己紹介したいところである。前回と同じペースで配布すると仮定して、来年いっぱいまで使うだろう、来年は、どんな心意気で…

傍聞きロック

東京メトロ銀座線の座席に沈み込み、寝不足の頭を抱えてガタガタ揺られていると、地下鉄特有の甲高い反響音に紛れて、微かに「シャンシャンシャン」という鈴の音が鳴っていることに気が付いた。寝惚け眼を薄く開き、さり気なく辺りを見渡すと、右隣、スーツ…

ロンドンへ愛を込めて

私の通う小学校には、4年生から参加必須になる放課後活動に、委員会とクラブがあった。どちらも週に1回、4年生から6年生までが同じ教室に集まって、定例会議やクラブ活動に勤しむのである。と言っても、所詮は小学生だから、委員会には特別な責任も課題も無…

iPadを抱いて眠る

今夏、稀にみる大規模な断捨離を終えて、誓った、「二度と書籍は購入しない」と。気を抜くと毎月5冊近くの漫画や小説を買ってきては、もちろん読み切れるはずも無く、翌月、また新たに5冊買ってくる。買った本を読まずにただ放っておくことを「積読」と呼ぶ…