iPadを抱いて眠る

今夏、稀にみる大規模な断捨離を終えて、誓った、「二度と書籍は購入しない」と。気を抜くと毎月5冊近くの漫画や小説を買ってきては、もちろん読み切れるはずも無く、翌月、また新たに5冊買ってくる。買った本を読まずにただ放っておくことを「積読」と呼ぶ…

回想センチメンタル

16時半、洗濯物を取り込むためにベランダへと続く窓を開けると、途端に涼やかな風が吹き込んできた。つい先週までは、外に顔を突っ込むだけで、植物園の温室かのような青々しい息苦しさがあったが、ようやく爽やかな季節である。1匹の黒アゲハ蝶が、夕方の霞…

「人」の最大公約数

人が何をもって他人を「人」として認識しているのか、というのは興味深い問題である。何を持って、とは、視覚的な認識ではなく、感受性の意味合いであり、ここで言う「人」とは見た目の話じゃなく、「人と会った」「人と話した」と表現する際の、抽象的な「…

いざ、初号機

パソコンの画面が瞬いている。いや、私の不調でそう見えているという話ではなく、事実、画面が点いたり消えたりを繰り返している。朝、ノートパソコンの電源ボタンを押し、パスワードを入力して、デスクトップ画面が映された。ブラウザアプリを起動するため…

浪費月

夏になると毎日のように出会し、闘ってきた蚊の姿を、今年は見かけない。昨日の深夜、遂に第1匹目と相見えたが、なんだか具合悪そうで、ひょろひょろ飛んで私の腹に止まったので、思い切り叩き落としてさしあげた。今年は例年以上の酷暑だから、蚊さえ少ない…

【宣伝】サブブログ『夜間日記』を開設

サブブログを作りました 新たに『夜間日記』 というブログを作りました。実は8月1日から更新しています。なんと毎日更新です。うひょう! どんな内容だい いわゆる夢日記です。前日みた夢の内容と睡眠時間を、毎晩23時に更新。夢の内容と睡眠時間をひたすら…

「人間失格」は何冊あっても良い

漫画や雑誌を、読む用、観賞用、保存用、同じものを何冊も買うというのは古今東西あらゆる愛好家達がやってきたことだが、小説は聞かない。ひとつの小説作品を、例えば単行本は持っていても、文庫化されたならそれも欲しい、というのはあるかも知れないし、…

セミに謝罪

セミが荒れ狂う時期である。部屋の窓に、1日2回はセミがぶつかる。カーテンを開ける習慣が無いから、外から見ればガラスというより「壁」だろうに、しかし、どういうわけだか毎度ピンポイントで窓に突っ込む。網戸側にぶつかると、絶望的である。網目の繊維…

地下帝国はあるか

幼少時代、誰もが一度は思い描いたであろう景色を、私も見ていた。エスカレーターの階段は、地面の中で逆さになってガラガラ回り、床屋のサインポールは地下数百メートルまで根を生やし、無限に上へと伸び続けていた。物理的な可能不可能を知るより以前、我…

日記をしたためる

日記をつける習慣がない。特に学生時代は「学習習慣の一つとして」取り入れようとしたり、無理やりさせられたこともあるにはあったが、例えば夏休みに課せられる「一日一行」の日記でさえ、日ごと埋められず、前回書いてから数日放っておいて、ようやくハッ…

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